収録アルバム "Quarterflash"(邦題:ミッドナイト・フラッシュ)
今回は、アメリカのロック・バンド、クォーターフラッシュが1981年にリリースしたデビュー・アルバム "Quarterflash"(邦題:ミッドナイト・フラッシュ)から全米16位のヒット曲、"Find Another Fool"(邦題:ファインド・アナザー・フール)をご紹介します。
クォーターフラッシュは、アメリカのオレゴン州にてマーヴ・ロス(Guiar)とリンディ・ロス(Vocal, Sax)という夫婦を中心に結成されました。
1981年にアルバム "Quarterflash" でデビューするのですが、このアルバムからシングル・カットしたデビュー・シングル、"Harden My Heart"(邦題:ミスティ・ハート)が全米3位という大ヒットとなり、一躍トップ・バンドの仲間入りを果たしました。
翌年には今回ご紹介する "Find Another Fool" をシングル・カットし、こちらも全米16位というヒットになっています。
クォーターフラッシュの魅力と言うと、まずはリンディ・ロスのボーカルと言えるでしょう。
無駄な音を排除したシンプルでストレートなロック・サウンドに乗せて、低音から高音のファルセットまで幅広い音域で情感たっぷりに歌い上げるボーカルは、魂を鷲掴みにするようにストレートに響いてくるものがあります。
また、リンディのサックスも忘れてはならないですね。当時としてはまだ女性のサックス・プレイヤーを擁するバンドというのは珍しかったのではないかと思いますが、こちらは哀愁に満ちた美しいメロディ・ラインで聴くものを魅了します。
今回ご紹介するデビュー・アルバム "Quarterflash" ですが、大ヒット曲の "Harden My Heart" で幕を開けます。
全体的なイメージとしては、メロディ・ラインを重視したソフトなナンバーが揃っています。バックのサウンドはあくまでもシンプルで、それによりリンディのボーカルとサックスがひときわダイレクトに伝わってくる感じですね。
そして今回ご紹介するヒット曲 "Find Another Fool" ですが、アルバムの中ではもっともハードなナンバーと言えましょう。ギターのミュートを効かせたカッティングでスタートするのですが、速いビートでぐいぐいと畳み掛けてくるストレートなロックンロールです。
もちろんメロディ・ラインの美しさは失われておらず、その旋律に乗せてリンディのファルセットが悲しげに響くサビが非常に印象的です。が、何よりも聴きどころは間奏のサックスとストリングス(シンセ)の掛け合いですね。情感たっぷりのサックスと逆に抑え気味のストリングスとの対比が実にハマっています。
ただこの曲は、ライブで聴くほうが何倍もグッときますね。間奏もサックスとギターとの掛け合いになり、エモーショナルなフレーズのぶつかり合いに思わず引き込まれてしまいます。
ストレートに心に響いてくる情感豊かなボーカルとサックスを、ぜひご堪能ください。