前回より「洋楽ファンならワカッて欲しい!邦楽女性ボーカル名曲集!」をご紹介しています。
第2回目の今回は、1980~90年代に絶大な人気を誇ったアイドル・デュオ、ウィンクの1989年リリースの大ヒット曲「愛が止まらない~Turn it into love~」をご紹介します。
ウィンクは1988年、「Sugar Baby Love」でデビューしました。
翌年、3枚目のシングルとなる「愛が止まらない ~ Turn it into love ~」がフジテレビ系のドラマ「追いかけたいの!」(南野陽子主演)の主題歌に採用されたこともあり、オリコンチャート1位となる大ヒットを記録、続くシングル「淋しい熱帯魚」も同じくオリコンチャート1位を記録する2作連続のビッグ・ヒットでアイドルとしての地位を不動ものにしました。
マリオネットのように無表情で淡々と踊りながら歌う姿は、当時の「アイドル=笑顔をふりまく」という固定概念を打ち砕いたと言っても過言ではありません。
アイドルの中ではかなり異質の存在でしたが、逆にそれが魅力となり、楽曲の良さも後押しして多くのファンの心を虜にしました。
今回ご紹介する「愛が止まらない ~ Turn it into love ~」は、オーストラリアのシンガーであるカイリー・ミノーグの楽曲のカバーです。
カイリー・ミノーグは1987年、デビュー曲の "The Locomotion"(邦題:ロコモーション) がいきなり全米3位の大ヒットとなり、一躍トップ・スターの仲間入りを果たします。
続くセカンド・シングルの "I Should Be So Lucky"(邦題:ラッキー・ラブ)は、全米チャートこそ28位でしたが、オーストラリアやドイツ、イギリスなど各国でチャートの1位を記録、もちろん日本でもオリコン洋楽チャートの1位を記録する世界的な大ヒット曲となり、「ダンス・ポップの歌姫」としての地位を確固たるものにしました。
この「愛が止まらない ~ Turn it into love ~」は、ウィンク・バージョンとカイリー・ミノーグ・バージョンを聴き比べてみると、非常に面白いですね。
基本的なアレンジはどちらもそれほど違いはなく、電子ドラムやシンセ・ベースがリズムを刻むエレクトリック・ダンス・ビートなのですが、ボーカルのアプローチが全く異なるために、全然別の曲にさえ聞こえてきます。
ウィンクが故意に感情を押し殺しているかのように淡々と平坦に歌っているのに対して、カイリー・ミノーグはハリのある艶やかで伸びのある声で、情熱的に情感たっぷりと歌い上げています。
どちらが好きかというのは好みの問題ですが、私的にはどちらもそれぞれの個性が光っていて甲乙つけがたいですね。
ウィンクの「愛が止まらない ~ Turn it into love ~」の大ヒットを受けて、カイリー・ミノーグの「Turn it into love」も日本でのみシングル・カットされ、こちらもオリコン洋楽チャートの1位を記録しました。
ぜひ、二つの「愛が止まらない」を聴き比べてみて頂けたら、と思います。
ウィンク「愛が止まらない ~ Turn it into love ~」
カイリー・ミノーグ「Turn It Into Love」
ウィンク 収録アルバム