収録アルバム "Arrival"
今回は、スウェーデンのポップ・ボーカル・グループ、アバの "Dancing Queen" をご紹介します。
アバは、
◽︎ ビョルン・ウルヴァース
◽︎ ベニー・アンダーソン
◽︎ アグネッタ・フォルツコグ
◽︎ アンニ=フリッド・リングスタッド
の男性2人、女性2人からなるボーカル・グループで、1973年にアルバム"Ring Ring" でデビューします。
当時はまだ "ABBA" というグループ名ではなく、4人の名前を連ねた "ビョルン&ベニー、アグネッタ&アンニ=フリッド" という長い名前でしたが、ある日マネージャーが何かの書類にグループの名前を記載する時に、適当に名前の頭文字を並べて"ABBA" と書いたのが、そのままグループ名になってしまいました。
デビュー・アルバムからは特に目立ったヒットは生まれなかったのですが、1974年にリリースした2枚目のアルバム "Waterloo" からは、"Waterloo"(邦題:恋のウォータールー)が全米6位のヒットとなり、一躍世に知られる存在となりました。
このヒットにより、母国スウェーデンを始めとするヨーロッパ諸国やオーストラリアなどではすでにスーパースター的な扱いとなるのですが、アメリカでの人気はというと、今一歩というところでした。
続く1975年にリリースした3枚目のアルバム"ABBA" からは、"SOS"(全米15位)、"I Do, I Do, I Do, I Do, I Do"(全米15位)、"Mamma Mia"(全米32位)という3曲がスマッシュ・ヒットとなります。
そして1977年、大ブレイクの時がやってきました。
この年にリリースした4枚目のアルバム "Arrival" からシングル・カットした "Dancing Queen" が大ヒットを記録することになります。全英1位、全米20位、そして日本でもオリコンチャート3位となり、世界的な規模で人気に火が着くこととなったのです。
このアルバムからは、"Knowing Me, Knowing You"(全米14位)、"Money, Money, Money"(全米56位)というヒットも生まれています。
アバの魅力はと言うと、誰もが口ずさめるような親しみやすい楽曲と、女性二人のボーカリストの圧倒的な歌唱力と言えるでしょう。
特にボーカルについては、ソロ・パートで見せる喜怒哀楽の表情が非常に豊かであり、コーラス・パートでの美しいハモリも絶品ですね。
アルバム "Arrival" は、"Dancing Queen" だけでなく、どの曲をとってもアバの魅力にあふれている、完成度の非常に高い作品です。
いくつか曲をご紹介しましょう。
"When I Kissed The Teacher"
アルバムのトップを飾る、軽快なリズムの曲です。「私が先生にキスをしたら・・・」というアメリカの学園ドラマのシチュエーションを思わせる、楽しい曲ですね。
"Dancing Queen"
今さら説明する必要もない大ヒット曲ですね。日本での知名度も高く、TVドラマやCMでもたびたび使われています。サビで聴かせるエネルギッシュなコーラスが印象的で、ピアノのバッキングがまたいい味出してます!
"Knowing Me, Knowing You"
詩の内容はちょっと悲しいでのすが、湿っぽくならずに前向きな雰囲気の曲です。サビでのコーラスが美しいですね。
"My Love, My Life"
アバの楽曲の中でも最高レベルの珠玉のバラードです。恋人との別れを決意した女性の悲しい胸の内を歌った曲ですが、相手への最大限の感謝の気持ちが感じ取れる、素晴らしい一曲です。やはり何度聴いても、ボーカルが心に響きます。
スウェーデンの輸出産業のNO.1がVOLVOの自動車で、NO.2がABBAだ、という面白い話もありますが、それに値する素晴らしい楽曲、そして歌声ですね。
"Dancing Queen" の他にも名曲は数多くありますので、ぜひ多くの方に聞いて頂けたら、と思います。