収録アルバム "Your World And My World"(邦題:風のララバイ)
昨日のうすら寒い雨模様から一転して、今日は清々しい青空の良い天気でしたね。
こんな爽やかな日にピッタリの1曲をご紹介します。
イギリス出身のシンガー・ソング・ライター、アルバート・ハモンドが1981年にリリースしたアルバム "Your World And My World" のタイトル曲、"Your World And My World"(邦題:風のララバイ)です。
アルバート・ハモンドと言えば、1972年のヒット曲、「カリフォルニアの青い空」(原題:It Never Rains In Southern California)が有名ですね。いろいろなアーティストがカバーしている名曲なので、耳にしたことがある方も多いと思います。
(私も中学性の時、当時のアイドル南沙織さんのカバーでこの曲を知りました。)
彼は、20代の頃からイギリスのボーカル・グループに参加し、トップ10ヒットを放つ程度の人気と実力があったのですが、1970年代に入りアメリカに移住し、ソロとしての活動をスタートしています。
1972年にはこの「カリフォルニアの青い空」が全米5位の大ヒットとなり、一躍トップ・アーテイストとして認められるようになりました。
自身で発表する曲はもとより、他のアーティストにも素晴らしい曲を提供しており、カーペンターズの「青春の輝き」(原題:I Need To Be In Love)、スターシップの「愛はとまらない」(原題:Nothing's Gonna Stop Us Now)などの名曲が彼の手によるものです。
アルバム "Your World And My World" ですが、まずジャケットが美しいですね。収録されている曲、そのサウンドを正しくイメージさせてくれる、秀逸のジャケットだと思います。
肝心の内容はと言うと、アルバート・ハモンドの美しいメロディ、爽やかでソフトな曲調をそのままに、アメリカ西海岸のトップ・ミュージシャン(TOTOのジェフ・ポーカロ、デビッド・ハンゲイトら)のサポートを得て作成されたアルバムであり、当時流行のAORを代表するアルバムの1枚と言っても過言でないくらい、完成度の高い作品になっています。
爆発的な名曲があるわけではないのですが、アルバム全体を通しての世界観にまったくブレがなく、どこを切り取っても、涼しげな風が吹くように流れてくるメロディ、暖かいのだけれどもどこかクールなボーカル・・・アルバート・ハモンドの音楽がそこにある、という、充足感、安心感に溢れた作品です。
アルバム・タイトル曲の "Your World And My World" は、アルバート・ハモンドの世界への導入として、これ以上のない1曲です。ボーカルは包み込むような優しさに溢れており、ギターの音色はクリアで雑味がなく、無駄な音のないシンプルなアレンジが逆にメロディの美しさを際立たせています。
アルバムの世界に穏やかに優しく我々を導いてくれる、そんな1曲になっています。
梅雨の合間の爽やかな青空のもと、アルバート・ハモンドが紡ぐソフトな世界に浸ってみてはいかがでしょうか。