収録アルバム "UK"
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プログレ界の首領・ジョン・ウェットンが、超絶凄腕メンバーを従えて新たなる歴史への第一歩を踏み出す。。。
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追悼ジョン・ウェットン殿・・・
2017年1月に急逝した、稀代のソング・ライターであり、ボーカリストであり、ベーシストでもあるジョン・ウェットンに敬意を表して、最初に"UK"のデビュー・アルバムから"In The Dead Of Night"を取り上げたいと思います。
ベースとバスドラの重い7拍子のリフから始まり、シンセが被さってドラマチックに展開していく、プログレッシブ・ロックの名曲です。当時高校生だった私は、何かのフィルム・コンサートでライブ映像とともにこの曲を初めて聴いて、そのカッコよさに鳥肌が立ったことを覚えています。
曲はドラマチックに盛り上がった後、再びベースとバスドラのリフに戻り、徐々にフェード・アウトしていくとともに2曲目の"By The Light Of Day"が静かにフェード・イン。夜の闇の中を漂うが如く静かで穏やかなメロディが続くかと思いきや、闇を引き裂くかのようなエキセントリックなシンセがカット・インし、そのまま1曲目のテーマを引き継ぐ形で3曲目の”Presto Vivace And Reprise"に突入、一気にエンディングまで駆け抜けます。この一連の流れの中での静と動、陰と陽の対比がプログレッシブ・ロックの醍醐味ですね。
デビュー・アルバムは全体を通してロックな中にもジャズ的なインプロビゼーションのアプローチにかなり重きを置かれているのですが、その後のメンバー・チェンジを経て世に送り出された2ndアルバム"DANGER MONEY"は、よりハード色・ポップ色が強まり、素晴らしい作品に仕上がっています。この曲調が、後のスーパーグループ”ASIA"につながっていくと思うと、こちらも実に興味深いですね。