70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

アレンジの妙が光る、都会的コンテンポラリー・ロックの名曲! Boz Scaggs "Jojo" (1980)



収録アルバム "Middle Man"(邦題:ミドル・マン)


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今回は、アダルト・コンテンポラリーの帝王、ボズ・スキャッグスが1980年にリリースした9枚目のスタジオ・アルバム、"Middle Man"(邦題:ミドル・マン)に収録されている名曲、"Jojo"(邦題:ジョジョ)をご紹介します。


以前の記事では、7枚目のアルバム、"Silk Degrees"(邦題:シルク・ディグリーズ)に収録されている全米3位の大ヒット曲、"Lowdown"(邦題:ロウダウン)をご紹介しました。

 

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1965年にリリースされた "Boz"(邦題:ボズ)でソロ・デビューを飾ったボズ・スキャッグスですが、デビュー後しばらくはヒットに恵まれずに不遇の時代を過ごしました。
しかし、1976年にファンク色を強めた洗練されたサウンドの7枚目のアルバム "Silk Degrees" をリリースすると、これが全米アルバムチャートの2位を記録する大ヒットとなり、一躍アダルト・コンテンポラリー界のトップに躍り出ることになります。

1977年には8枚目のアルバム "Down To Then Left"(邦題:ダウン・トゥー・ゼン・レフト)をリリースしますが、こちらも大きなシングル・ヒットはなかったものの、全米アルバムチャートの11位に食い込み、いよいよトップ・ミュージシャンとしての地位を確かなものにしていきます。

そして1980年、ロック色を強めた9枚目のスタジオ・アルバムとなる "Middle Man" をリリースします。このアルバムも全米アルバムチャート8位を記録し、シングル・カットされた "Jojo"(邦題:ジョジョ)や "Breakdown Dead Ahead"(邦題:ブレイクダウン・デッド・アヘッド)もそれぞれ全米15位を記録する大ヒットとなりました。

 

今回ご紹介するアルバム "Middle Man" ですが、前2作と同様にファンクやR&Bといった非常に幅広い音楽性に支えられたコンテンポラリーなサウンドがベースとなりますが、バックに起用したミュージシャンの影響もあり、ストレートなロックの色がやや強めのノリのいい爽快なアルバムに仕上がっています

"Principal Musicians"(主要なミュージシャン)として
・デビッド・フォスター(Key)
・デビッド・ハンゲイト(Bass)
・スティーブ・ルカサー、レイ・パーカー・Jr(Guitar)
・ジェフ・ポーカロ(Drums)
というメンバーがクレジットされているので、このメンバーがレコーディングの中心となっているようです。

曲によっては、他のゲスト・ミュージシャンのクレジットがありますね。カルロス・サンタナ、ローズマリー・バトラーなどの著名なミュージシャンが花を添えています。

デビッド・ハンゲイト、スティーブ・ルカサー、ジェフ・ポーカロの3人は今更言うまでもなくTOTOの創設メンバーですね。このアルバムがリリースされた1980年というと、TOTOとしては2枚目のアルバム "Hydra"(1979年)と3枚目のアルバム "Turn Back"(1981年)の間となり、バンドとして頂上を目指して駆け上がっている真っ只中ということで、バンドとしてのまとまりや勢いというものが、ボズのこのアルバムからも感じ取れます。

全体を通しても非常に完成度の高いアルバムであり、都会的で洗練された大人のコンテンポラリー・ロックという従来からの路線はしっかりと踏襲しています。


さて、今日ご紹介する楽曲 "Jojo" ですが、アルバムのトップを飾るナンバーとなっております。

ミドル・テンポのゆったりとしたナンバーですが、この曲で特筆すべきなのは、何と言っても「アレンジの妙」ですね。

音数を押さえて正確なビートをキープするジェフ・ポーカロ(Drums)とジョン・ピアース(Bass)のリズム・セクション、バックに徹した控えめだけども存在感のあるギターのカッティング、やはりバックに徹していますが時折効果的にフィル・インを聴かせるピアノ、決めのフレーズが印象的なシンセサイザー、そしてストリングスやブラスなど、非常に多くの楽器が参加しているのですが、何か一つが突出したりバラけたりすることなくこれ以上のないバランスで配置されており、実に耳障りの良いサウンドとなって聴く者をアダルトな世界へと誘います。

また、ボズのボーカルの素晴らしさは言うまでもないでしょう。伸びのある艶やかな中高音域が心地よく響いてくるのですが、何よりも素晴らしいのは、同じフレーズのリピートでもリズムや歌い方を変えて曲自体の印象をコントロールする歌唱力です。

ゆったりとしたリズム、バランスの良いバックのアレンジで、ともすると印象希薄で耳を通り過ぎてしまいそうになってしまうところを、ボズのボーカルが程よい刺激や変化を与えることにより、後味爽やかで強く印象に残る楽曲に仕上がっています。

まさにアダルト・コンテンポラリーの帝王の面目躍如と言える楽曲と言えるのではないかと思います

若者にはない大人の洗練された渋みのあるサウンドを、ぜひご堪能ください。 

 

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