70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

ハード・ロック・バンドのバラードのお手本とも言われる名曲! Whitesnake "Is This Love" (1987)



収録アルバム "Whitesnake"(邦題:サーペンス・アルバス<白蛇の紋章>)


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今回は、イギリスの実力派ボーカリスト、デビッド・カヴァデール率いるホワイトスネイクが1987年にリリースした7枚目のアルバム "Whitesnake"(邦題:サーペンス・アルバス<白蛇の紋章>)から、大ヒット曲 "Is This Love"(邦題:イズ・ディス・ラブ) をご紹介します。


デビッド・カヴァデールと言えば、多くの洋楽ファンの方がご存知のように、イギリスの伝説的最強ハード・ロック・バンド「ディープ・パープル」のボーカリストとして、"Burn"(邦題:紫の炎)、"Mistreated"(邦題:ミストゥリーテッド)などの名曲を世に送り出してきました。
「ディープ・パープル」解散後に、ソロ活動を経て自身のバンドを結成したのが、この
ホワイトスネイクになります。


ディープ・パープル解散後の1977年、デビッドは(後にバンドのメンバーとなる)ミッキー・ムーディ(Guit)のサポートを得て、自身の最初のソロ・アルバム "Whitesnake"(邦題:ホワイトスネイク) をリリースし、続く1978年には2枚目のソロ・アルバム、"Northwind"(ノースウィンド)をリリースするのですが、この時のレコーディング・メンバーが母体となり、デビッドのバンド「ホワイトスネイク」が形成されていきます。

 

同年にアルバム "Trouble"(邦題:トラブル)にてホワイトスネイクはデビューを飾りました。1979年の "Lovehunter"(邦題:ラブハンター)以降、着実にアルバムをリリースし、"Fool For Your Loving"(1980年、邦題:フール・フォア・ユア・ラビング)、"Don't Break My Heart Again"(1981年、邦題:ドント・ブレイク・マイ・ハート・アゲイン)などのスマッシュ・ヒットも飛ばして、商業的にも順風満帆のバンド活動が継続していると思われていました。


しかし、バンド内では音楽性の違いなどによる不協和音が発生しており、デビッドの家庭の問題もあって、1982年にバンドは一時活動休止となってしまいます。

 

1984年、デビッドはバンドのメンバーを一新し、レコード会社も移籍して6枚目のアルバム "Slide It In"(邦題:スライド・イット・イン)をリリース、新生ホワイトスネイクをスタートさせます。このアルバムは、全米アルバム・チャートでは40位というそこそこの成績に終わったものの、全英のチャートでは9位を記録し、まずまずの再出発となりました。

さらにデビッドをメンバーを入れ替えて、1987年に7枚目のアルバム "Whitesnake"(邦題:サーペンス・アルバス<白蛇の紋章>)をリリースするのですが、これが全米アルバム・チャートで2位(全英8位、日本のオリコン洋楽チャートでは19位)を記録する大ヒットとなりました。


このアルバムからは4曲がシングル・カットされたのですが、中でも "Here I Go Again"(邦題:ヒヤ・アイ・ゴー・アゲイン)は全米1位、"Is This Love"(邦題:イズ・ディス・ラブ)は全米2位という大ヒットとなり、バンドは一気にハード・ロック・シーンの頂点に君臨することになったのです。

 

さて、このアルバム "Whitesnake" ですが、名盤と呼ぶに相応しい素晴らしい仕上がりになっています。デビッドの歌唱力はパープル時代から折り紙付きですが、単なるシャウトだけの直線的なボーカルではなく、ブルースの匂いがプンプンする(特に中低音部の)表情がとても豊かな、かなり「脂っこい」歌声をこのアルバムでも聞かせてくれます(その「脂っこさ」は好き嫌いが分かれるところだとは思いますが)。

バックの演奏もそのボーカルをしっかりと支えていますね。ジョン・サイクスのギターの分厚い低音弦のリフは随所でいい味を発揮していますが、あくまでも控えめに裏方に徹したドン・エイリーのキーボードが、「ギター・メインのハード・ロックのアンサンブル」を忠実に具現化しており、全体のバランスを見事に保っています。

 

今日ご紹介する "Is This Love" は、アルバムの中で唯一のバラードであり、美しいメロディ・ラインとデビッドのボーカルが見事にハマッた素晴らしい名曲です。

曲全体を通して、透明感を感じさせるアレンジが秀逸ですね。それはドン・エイリーのストリングス(シンセ)やピアノであったり、ジョン・サイクスのオーバードライブを抑えた幻想的なアルペジオの効果なのですが、それにも増して、「脂っこさ」を極限まで抑えたデビッドの心の琴線を震わすような情感たっぷりのボーカルによるところが大きいと思います。

特に目新しいものがある訳ではない、至極オーソドックスな構成、展開ではあるのですが、それが返って「ハード・ロック・バンドのバラードのお手本」とも言われる所以ではないでしょうか。

 

ぜひ一度、お聴きいただければと思います。

 

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