70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

80年代のアメリカン・ハード・ロックの新しい方向性を示した名曲! BOSTON "Don't Look Back" (1978)



収録アルバム "Don't Look Back"(邦題:ドント・ルック・バック)


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今回は、アメリカのロック・バンド、ボストンが1978年にリリースしたセカンド・アルバム "Don't Look Back"(邦題:ドント・ルック・バック)から、タイトル・チューンの "Don't Look Back"(邦題:ドント・ルック・バック)をご紹介します。

 

以前の記事では、1976年にリリースされたボストンのデビュー・アルバム "BOSTON"(邦題:幻想飛行)から "More Than A Feeling"(邦題:宇宙の彼方へ)をご紹介していますので、もしよければご覧ください。

 

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ボストンは、1976年にアルバム "BOSTON" でデビューしました。このアルバムは全米3位を記録する大ヒットとなり、後続のバンドにとっての、アメリカン・ロックの新しい方向性を示すことになった歴史的作品と言えます。

ただこのアルバムは、ミュージシャン兼エンジニアのトム・ショルツが一人で多重録音により作り上げた完璧なデモ・テープを、プロのレコーディング・スタジオで再現することにより作成されました。この時のバンド・メンバーは、アルバム・リリース後にライブ活動を行うために急遽集められたメンバーだということです。

 

そのライブ・ツアーの合間を縫って慌しくセカンド・アルバムの制作が行われ、1978年にアルバム "Don't Look Back" としてリリースされるのですが、これが爆発的にチャートを駆け上がり、全米1位の大ヒットとなりました。

 

サウンドとしてはデビュー・アルバムの延長線上にあり、オーバードライブを効かせたギター・サウンドをメインにしたハードでポップな典型的「アメリカン・プログレ・ハード」と呼ばれるものです。

美しいバラードも収録されてはいますが、やはり基本はノリのいいロックですね。多重録音による重厚なギターがグイグイ来ます。

音作りについては、やはりデビュー・アルバムと同様にトム・ショルツのこだわりが見られるもので、シンセサイザーやコンピューターを一切使っていないという「No Synthesizers Used」「No Computers Used」という刻印がジャケットに見られますね。 

しかし、忘れてはいけないのは、ブラッド・デルプをメインとしたボーカル・ワークです。重厚なサウンドに負けない、美しくパンチのあるハイ・トーン・コーラスも実に効果的だと思います。

 

今日ご紹介する アルバムのタイトル・チューン、"Don't Look Back" ですが、全米4位を記録する大ヒット曲です。この曲の魅力を一言で言うならば、シンプルだけれどもメロディアスで耳に残るギター・リフに尽きるでしょう。 70年代のベスト・ギター・リフを選べと言われたら、間違いなくこの "Don't Look Back" を挙げますね。

そのリフだけでなく、この曲についてはアレンジのすべてがもう完璧だと思っています。一発で雰囲気を作るイントロのギターのコード・ワーク、Aメロのリード・ボーカルとコーラスの駆け合い、曲調をガラッと変えてくるBメロのスペイシーなギターのアルペジオ、再び曲調をもとに引き戻すサビ前のギターの咆哮、そしてサビのシンプルな旋律の裏で流れる印象的なギターのリフ・・・褒め過ぎかもしれませんが、非の打ちどころがないです。完璧。

 

この曲自体がもちろん最高の出来なのですが、それよりも、80年代に隆盛を極めるアメリカン・ハード・ポップ・ロックの後続のバンド達の進むべき道を切り開いたのがこの "Don't Look Back" である、という事実こそが最大の評価されるべきポイントではないでしょうか。 

それが、たとえ「産業ロック」と揶揄されようとも、です。

 

このアルバムからは、もう一曲、ぜひともご紹介しておきたい曲があります。

アルバム唯一のバラード、"A Man I'll Never Be"(邦題:遥かなる想い)ですが、実に情感溢れる美しくも力強さを感じる素晴らしい曲に仕上がっています。

ボーカルの力量で聴く側を感動させるバラードは数多くありますが、この曲のようにギターをメインに据えたアレンジの巧みさで感動を誘うバラードは珍しいのではないでしょうか。

アコースティック・ピアノからしっとりと始まるのですが、次第にギター、リズム・セクションが加わっていき、サビ前のギターのリフからハイ・トーン・コーラスが美しい感動のサビへと一気になだれ込んでいく様がいいですねー。

 

70年代終盤の音楽シーンを驚愕させ、かつ世界が認めたトム・ショルツの渾身のアルバムを、ぜひお聴きいただければと思います。 

  

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