70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

強烈な存在感に圧倒される、シンプルで力強い名曲! U2 "Where The Streets Have No Name" (1987)



収録アルバム "The Joshua Tree"(邦題:ヨシュア・トゥリー)


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今回は、アイルランドが生んだ「奇跡のロックンロール・バンド」U2が1987年にリリースした5枚目のアルバム "The Joshua Tree"(邦題:ヨシュア・トゥリー)から、"Where The Streets Have No Name"(邦題:ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネイム(約束の地))をご紹介します。

 

先日ご紹介したジェファーソン・スターシップのように、バンドも長い時間に渡って活動を続けていると、音楽性の違いなどからメンバー・チェンジを繰り返すことも避けられないようになりますが、U2は1980年のデビューからオリジナル・メンバーの脱退、変更もなく活動を続けており、これが「奇跡のロックンロール・バンド」と言われる由来となっています。

 

U2は1978年、ボーカルのポール・ヒューソン(ボノ)、ギターのデイブ・エバンス(エッジ)らによってアイルランドにて結成されました。

1980年には、アイルランド国内にてシングル "Another Day"(邦題:アナザー・デイ)、アルバム"Boy"(邦題:ボーイ)によりデビューします。

1983年には3枚目のアルバム "WAR"(邦題:WAR(闘))をリリースするのですが、このアルバムでは国内紛争や核問題、宗教問題をテーマとした色濃いメッセージ・ソングを多く収録しており、その後のバンド・カラーを社会的・政治的な方向に位置付ける重要な作品となりました。

特に北アイルランド紛争により起きた「血の日曜日事件」を取り上げた楽曲 "Sunday Bloody Sunday"(邦題:ブラディ・サンデー)は全英シングルチャートの1位を獲得し、バンドが世界からの注目を集め、多くの支持を集める結果となります。

 

続く1984年リリースの4枚目のアルバム "Unforgettable Fire"(邦題:焔)は、広島・長崎への原爆投下を生き抜いた被災者達が描いた絵画のタイトルであり、その絵画を見たメンバーが感銘を受けて名づけられたものです。

 

1985年の「バンド・エイド」への参加を挟んで、1987年には今日ご紹介する5枚目のアルバム "The Joshua Tree"(邦題:ヨシュア・トゥリー)をリリースします。
このアルバムは全英、全米はもちろんのこと、世界各国のアルバム・チャートでNO.1を獲得し、バンドの世界的規模での人気の沸騰を証明することとなりました。

 

そのアルバムのサウンドですが、非常にドライな、カラッと乾いた印象を受けます。それは、無駄な(余計な)音の積み重ねを排除したシンプルな音作りによるものかも知れないですし、物理的な音の処理によるものかも知れません。

それが、(良い/悪いは別として)オーバードライブのギターやシンセを中心として何重にも積み重ねられた重厚なサウンドに馴れ親しんでいた自分にとっては、とても新鮮な感じがします。

 

今日ご紹介する楽曲 "Where The Streets Have No Name"(邦題:ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネイム(約束の地))ですが、ミドル・テンポの曲調の中、全編を通して流れるクリアでドライなギターのカッティングが非常に印象に残る曲です。

そのギターに加えて、ドラムス、ベースのシンプルで力強いビート、そしてボノのしゃがれた味のあるボーカルが三位一体となり、他のバンドではあり得ない、U2として唯一の自信、プライド、存在感というものが強く伝わってくるのを感じます。

煌びやかなアレンジがあるわけでもなく、派手なギター・ソロがあるわけでもなく、華麗なコーラス・ワークがあるわけでもない、今までの記事の中で私がいろいろな曲に対して褒めちぎって来たものが何もない曲なのですが、それでもなお、圧倒的な存在感を感じないわけにはいかない、U2とはなんとすごいバンドなんでしょう。

 

繰り返しになりますが、良い/悪いの問題ではありません。

重厚なアレンジで聴かせる名曲も数多くありますが、一方ではこのようなシンプルさに圧倒されてしまう名曲もあるということに気づかされる曲だと思います。

ぜひ一度、お聴きください。

 

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