70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

パープル脱退後のイアン・ギランが聴かせるファンク色強めスペイシーな一曲! Ian Gillan Band "Clear Air Turbulence" (1977)



収録アルバム "Clear Air Turbulence"(邦題:鋼鉄のロック魂)


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今回は、イギリスのハード・ロック・バンド、ディープ・パープルの黄金期を支えたボーカリスト、イアン・ギランがディープ・パープル脱退後に結成したイアン・ギラン・バンドの2枚目のアルバム "Clear Air Turbulence"(邦題:鋼鉄(ハガネ)のロック魂)から、タイトル・チューンの"Clear Air Turbulence"(邦題:銀色の嵐)をご紹介します。


当時私は高校生で、バリバリのギター小僧でした。ディープ・パープルをリアル・タイムで聴いて育った世代なので、第二期の"Highway Star"、"Smoke On The Water" などの名曲をそれこそレコード盤が擦り切れるくらいに聴いて、日々ギターの練習に明け暮れたものでした。

そんな私にとって、「イアン・ギランがパープル脱退!」のニュースは晴天の霹靂とも言える大事件で、この上なく落胆したのでしたが、そのイアン・ギランが自身のバンドを結成して復活!のニュースには狂喜乱舞し、勇んで武道館に出掛けて行ったことを思い出します。

 

イアン・ギランは、1945年にロンドンで生まれました。少年時代にエルビス・プレスリーに憧れて音楽活動を開始し、1965年、20歳の時に「エピソード・シックス」に加入することで、プロのミュージシャンとしての活動をスタートさせます。

1969年には「エピソード・シックス」の盟友、ロジャー・グローバーとともに、ディープ・パープルの第二期メンバーとして加入し、大きな成功を手にすることになります。
ブルースをベースに金切声でシャウトする独特のスタイルは多くのファンから支持を集め、また後のハード・ロック/ヘビーメタル・ロックのボーカリスト達に多大な影響を与えました。

 

ディープ・パープルでは、

■ In Rock (1970)
■ Fireball (1971)
■ Machine Head (1972)
■ Who Do We Think We Are (1973)

という4枚のアルバムを制作し、先に挙げた "Highway Star"、"Smoke On The Water" の他にも "Child In Time"、"Woman From Tokyo"、"Black Night"といった名曲を世に送り出しました。


しかし、メンバー間の不仲などの原因により、1973年にイアン・ギランはバンドを脱退します。
その後、一時的に音楽ビジネスから遠ざかっていたのですが、1976年に自身のバンド、イアン・ギラン・バンドを結成して復活を果たしました。


新しいバンドは、ハード・ロックの名残を残しつつも、ジャズ・ロックを基調としてファンクやR&Bの要素も取り入れるなどパープル時代とは大きく異なる曲調となり、ファンとしても賛否両論飛び交うところなのですが、イアン・ギランのボーカル・スタイルは相変わらずで、随所で切り裂くようなシャウトを聴くことができます

1976年にはバンドのデビュー・アルバム "Child In Time"(邦題:チャイルド・イン・タイム)をリリースし、一部のメンバー・チェンジを経て1977年にはセカンド・アルバムである、今回ご紹介する "Clear Air Turbulence" をリリースします。

 

今回ご紹介するアルバム "Clear Air Turbulence" ですが、先にも書きましたようにパープル時代からは大きく曲調が変化しており、パープル時代のコテコテのハード・ロックを期待する方にはちょっと肩透かしをくらったような思いを抱くことになるでしょう(私もそうでした)。

ジャズ、ファンク、フュージョン、プログレ、そしてもちろんハードなどいろいろな要素が取り込まれており、時にブラックっぽい曲調もあり、アフリカの民族音楽のようなリズムの音楽もあり、とてもハード・ロックのボーカリストが作ったアルバムとは思えません。

強いて言えば、タイトなリズムを強調したジャズ/ファンクの傾向が強めでしょうか。

 

今回ご紹介する曲 "Clear Air Turbulence" は、アルバムのトップを飾るプログレ色強めのハードなナンバーです。

スペイシーなSE(効果音)のフェード・インから浮遊感漂うシンセのリフが繰り返されたかと思うと、一転タイトで速めのリズム・セクションとギターのリフがカット・インしてイアン・ギランのボーカル・パートが始まります。

パープル時代を彷彿とさせる強めのボーカルは、「来たーーーーっ!」って感じですね。

音数の多いベースとハイハットを切りまくるドラム、そしてブラス・セクションのバッキングがファンクの匂いを強くさせていますが、シャウトを織り交ぜたイアン・ギランのボーカルは迫力満点で、パープル・ファンも納得でしょう。

プログレ的な曲展開の面白さもあり、いろいろな味を詰め込んだ幕の内弁当のような一曲ですね。


イアン・ギランのボーカルはパープル脱退後も健在、と強く思わせるこの一曲、ぜひお聴きいただければと思います。

 

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