70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

「ES-335」の甘く柔らかなサウンドが美しいメロディを奏でる名曲! Larry Carlton  "Room 335"  (1977)



収録アルバム "Larry Carlton"(邦題:夜の彷徨<さまよい>)


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今回ご紹介するのは、ジャズ/フュージョン界を代表するアメリカのギタリスト、ラリー・カールトンが1977年にリリースした3枚目のソロ・アルバム "Larry Carlton"(邦題:夜の彷徨<さまよい>)の収録曲、"Room 335"(邦題:ルーム335) です。

 

この "Room 335"、1970年代のギタリストを目指すギター小僧達には避けて通ることのできない定番曲でしたね。ギターの甘い音色と流れるようなメロディ・ラインに憧れて、何度も繰り返し聴きながらコピーに励んだ少年達も多かったのではないでしょうか。

 

まず、この「Room 335」という名称ですが、南カリフォルニアにあるラリー・カールトンの自宅のレコーディング・スタジオの名前なんですね。その語源は、カールトンの愛用のギター、ギブソンの「ES-335」から来ています。

 

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この「ES-335」というギターですが、1958年にギブソン社から発売された、商用としては初のセミアコースティック・ギターです。

 

エレキ・ギターは、ボディの構造から大別すると

■ ソリッド・ギター

■ フルアコースティック・ギター

■ セミアコースティック・ギター

に分類することができます。

 

それぞれにその音質に特徴があり、

■ ソリッド・ギター

ボディが一枚板(あるいは複数枚の板の張り合わせ)でできており、空洞を持たない。そのため、弦の振動をマイク(ピックアップ)で拾ったダイレクトでソリッドな音色が特徴。

一般的にエレキ・ギターというとこちらを指し、フェンダー社のストラトキャスター、ギブソン社のレスポールなどが代表的なモデル。

■ フルアコースティック・ギター

一般的なアコースティック・ギター(フォーク・ギター)のように、ボディが板を組み合わせて作った箱型になっている。中は空洞であるため、弦の振動にボディが共鳴しやすく、甘くて深みのある柔らかい(エッジのあまり効いていない)音質になる。

■ セミアコースティック・ギター

「フルアコースティック」の空洞のボディの中心(ネックからの延長部分)に「センターブロック」と呼ばれる木の塊がある。そのため、音質としては「ソリッド」と「フルアコースティック」の中間のような「甘くて柔らかめのソリッド」的なものになる。

ギブソン社のES-335はこの代表的なモデル。

ということになります。

(違いをわかりやすくするために極端な書き方になっていますことをご了承ください。)

 

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このギブソン「ES-335」を駆使して収録されたアルバム "Larry Carlton" ですが、「ES-335」(セミアコースティック・ギター)の特徴である甘くて柔らかい音色を堪能でき、またカールトンの奏でる滑らかで流れるように美しいフレーズに心洗われるような一枚です。

 

バックのメンバーは、

■ グレッグ・マティソン:キーボード

■ エイブラハム・ラボリエル:ベース

■ ジェフ・ポーカロ:ドラムス

■ ポーリニョ・ダ・コスタ:パーカッション

という凄腕のミュージション達で、カールトンのギター・ソロに匹敵するようなマティソンのピアノ・ソロや、ポーカロ/ラボリエルの正確でなおかつキレッキレのリズム・セクションの名演が楽しめるアルバムにも仕上がっています。

 

今回ご紹介する "Room 335" ですが、アップ・テンポのビートに乗った静かめのピアノのバッキングからスタートします。ストリングスが美しく響く中でギターのメイン・メロディが始まりますが、カールトンの奏でるギターは優しくて清らかで爽やかで・・・

スタジオ「Room335」からは、南カリフォルニアの青い海が見えるのでしょうか。まるでその風景が見えるかのような、大海原を爽やかに吹き抜けるそよ風を連想してしまうような美しいメロディ、そして甘く柔らかな音色に耳を奪われてしまいます。

ギター・ソロからエレクトリック・ピアノ・ソロ、そして再びギター・ソロのリプライズとなるのですが、終始リラックスした雰囲気で曲は進みます。5人の一流ミュージシャン達が、笑顔の絶えない和やかなムードの中でその腕前を披露しあう様子が目に浮かぶようですね。

 

時には日々の雑多な煩わしさから逃れて、思いっきりリラックスしてカールトンのギターに耳を委ねるのも良いのではないでしょうか。

 

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