70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

「エイジア」結成へのプロセスを垣間見ることができる英プログレ・ハードの名曲! UK "Danger Money" (1979)



収録アルバム "Danger Money"(邦題:デンジャー・マネー)


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今回は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、UKのセカンド・アルバム "Danger Money"(邦題:デンジャー・マネー)から、リード・ナンバーの "Danger Money"(邦題:デンジャー・マネー)をご紹介します。

 

このブログの第1回の記事がこのUKのデビュー・アルバム "UK"(邦題:憂国の四士)でした。

 

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後発のバンドに多大な影響を与えたと言われるイギリスの偉大なプログレッシブ・ロック・バンド、キング・クリムゾンにともに在籍し、"Lark's Tongues In Aspic"(邦題:太陽と戦慄)、"Red"(邦題:レッド)などの名盤を残してきた、ジョン・ウェットン(ベース)とビル・ブルーフォード(ドラムス)が中心となり、そこにエディ・ジョブソン(キーボード、バイオリン)とアラン・ホールズワース(ギター)が加わって、「UK」はスタートしました。

 

稀代のスーパー・プレイヤーが集結した「UK」は、デビュー・アルバム "UK"(邦題:憂国の四士)を1978年にリリースしますが、スーパー・バンドの名に恥じないテクニックとセンスに溢れた素晴らしい演奏は、多くのプログレッシブ・ロック・ファンのハートを鷲掴みにしたと言ってもよいでしょう。

 

しかし、早くも音楽性の違いからメンバー間に亀裂が生じてしまいます。

ジャズ寄りのインプロビゼーションを主体とした演奏を行いたいビル・ブルーフォードとアラン・ホールズワースは、よりハード/ポップ路線を主張するジョン・ウェットンに追随することができず、バンドを脱退してしまいました

後任のドラマーとして、フランク・ザッパとともに活動していたテリー・ボジオを招き入れ、キーボード/ドラム/ベースのトリオ編成でバンドは再スタートし、翌1979年にセカンド・アルバム "Danger Money" をリリースします。

 

このアルバムですが、テリー・ボジオの、手数が滅茶苦茶多い訳ではないのですが、重くて力強く、かつ密度の濃いドラミングは新生UKのサウンドに見事にマッチし、複雑で重厚なリズム・パターンをバックに、エディ・ジョブソンキーボード、電子バイオリンが華麗に舞い踊るという、非常に完成度の高い素晴らしい作品に仕上がっています。

楽曲は、プログレッシブらしさを十分に残しつつも、デビュー・アルバムと比較するとよりハードであり、よりポップであり、ジョン・ウェットンが後に結成するスーパー・バンド、「エイジア」へのプロセスの経過地点と見ることができて、非常に興味深いですね。

 

今回ご紹介するのは、アルバムのトップを飾るハードでヘビーなナンバー、"Danger Money" です。ドラムスとベースのどっしりとしたリズム・セクションに、ハモンド・オルガンが時には重く、時には煌びやかに絡む、ミドル・テンポの重厚なサウンドになっています。力強さとともに細かい転調と変拍子を繰り返す緻密さをも持ち合わせた、非常に計算された構成の曲ですね。

ジョン・ウェットンの男臭いボーカルがまた、「デンジャー・マネー」(危険な仕事の報酬)という曲の世界観を盛り上げてくれます。

 

このアルバムには、エディ・ジョブソンの電子バイオリンを全面的にフィーチャーした楽曲も収録されています。"Caesar's Palace Blues"(邦題:シーザーズ・パレス・ブルース)という曲ですが、アップ・テンポの軽快なリズムに乗って、電子バイオリンがバッキングあり、ソロあり、速弾きあり、と縦横無尽に駆け抜けていきます。バイオリンもエフェクターの処理次第ではロック・サウンドの中にここまで違和感なく溶け込むんだ!という驚きでもありますね。

 

このアルバムは、ジャケットも絶品です!

イギリスのアート集団「ヒプノシス」の作品ですが、「デンジャー・マネー」のイメージを「手を洗う」というシンプルな所作の中に見事に切り取っています。

「ヒプノシス」は、このアルバム以外にも素晴らしいアルバム・ジャケットを非常に数多く手掛けています。

こちらの記事で「ヒプノシス」に少し触れていますので、ぜひお読みいただければと思います。

 

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