70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

リード・ボーカリスト脱退の窮地を救った名曲! KANSAS "Play The Game Tonight" (1982)



収録アルバム "Vinyl Confessions"


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今回は、アメリカン・ハード・プログレの老舗バンド、カンサスの8枚目のアルバム "Vinyl Confessions"(邦題:ビニール・コンフェッション)からの先行シングル、"Play The Game Tonight" をご紹介します。

 

以前の記事では、1976年リリースの大ヒット曲、"Carry On Wayward Son"(邦題・伝承)をご紹介しました。

 

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カンサスは、1974年にアルバム "KANSAS" でデビューしました。

1976年にリリースした4枚目のアルバム "Leftoverture"(邦題:永遠の序曲)から上でご紹介した "Carry On Wayward Son"(邦題:伝承)をヒットさせると、続くアルバム "Point Of Know Return"(邦題:暗黒への曳航)から "Dust In The Wind"(邦題:すべては風の中に)を大ヒット(全米6位)させ、アメリカを代表するロック・バンドとしての地位を確立させます

 

年間100本以上のツアーを精力的にこなす中から「ライブのレベルが高いバンド」としても評価され、1978年には2枚組のライブ・アルバム "Two For The Show"(邦題:偉大なる聴衆へ)をリリースします。

 

その後も 

□ 1979年 "Monolith"(邦題:モノリスの謎)

□ 1980年 "Audio Visions"(邦題:オーディオ・ヴィジョン)

とコンスタントにアルバムをリリースし、トップ・バンドとして快調な航海を続けているように見られました。

 

しかし、1980年、バンドに衝撃が走ります。

中心メンバーでありリード・ボーカリストでもあったスティーブ・ウォルシュがソロ活動に専念するためにバンドを脱退を表明しました。

バンドは新メンバーのオーディションを行い、これといった活動経歴のない新人のジョー・エレファンテをリード・ボーカリストとして迎え入れたのです。

新生カンサスとして1982年にアルバム "Vinyl Confessions"(邦題:ビニール・コンフェッション)をリリースするのですが、先行してシングル・カットした "Play The Game Tonight" が全米17位というヒットになり、リード・ボーカリスト交代という危機を見事に救うことになりました

このジョー・エレファンテというボーカリスト、中音域から高音域にかけてのハリ、ツヤ、ノビが素晴らしい、まさにカンサスにはピッタリのボーカリストです。そもそも声質が前任のスティーブ・ウォルシュにそっくりで、古くからの楽曲を歌ってもまったく違和感が無かったのが、多くのファンに受け入れられた理由かも知れません。

 

さて、今回ご紹介するアルバム "Vinyl Confessions" ですが、アメリカン・ハード・プログレの王道を行く、カンサスならではの作品と言えるでしょう。

基本はギターの重いリフを中心に、ある時はキーボードが華麗に絡み、またある時は重厚なコーラス・ワークが彩を添えて、実に重みのある聴き応え十分なハード・ロックを展開しています。

また、往年のプログレ・ファンが唸るようなシンフォニックで複雑な構成の楽曲もあり、ハード・ロック指向のファンもプログレッシブ・ロック指向のファンも大満足の完成度の高い作品に仕上がっています。

 

今回ご紹介する "Play The Game Tonight" ですが、アルバムのトップを飾る曲なのですが、静かな哀愁たっぷりのピアノのイントロで幕を開けます。

いきなり1曲目からバラードかと思いきや、中盤からドラムの重低音が徐々に響きを増し、サビ突入と同時に重いビートにギター、コーラスが被さって一気に盛り上がりを見せますジョー・エレファンテのリード・ボーカルとハイ・トーン・コーラスの絡みがとても美しく、それでいてとても緊迫感のあるサビが強く印象に残ります

サビの盛り上がりをキープしたまま一気になだれ込む間奏では、ギター・ソロ、そして短いフレーズですがバイオリンのフィル・インが非常に効果的で、再び美しさと緊迫感を兼ね備えたサビをリピートして、そのまま曲はフェード・アウトしていきます。

 

カンサスにしては珍しい、美しさ、力強さの中に繊細さがキラリと光る名曲ではないでしょうか。

 

次回は、引き続きカンサスの名曲をご紹介します。

その後の活動停止後の復活を強く印象付ける、飛びっきりハードで重い一曲になりますので、乞うご期待です。