70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

新生イエス、エイジアを支えた二人の実力派ミュージシャンのデビュー作! The Buggles "Video Killed The Radio Star" (1979)



収録アルバム "The Age Of Plastic"(邦題:ラジオ・スターの悲劇)

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 今回ご紹介するのは、実力派ミュージシャンによるエレクトリック・ポップ・トリオ、バグルスの1979年のデビュー曲、"Video Killed The Radio Star"(邦題:ラジオ・スターの悲劇)です。

 

バグルスは、

■ トレバー・ホーン(ベース)

■ ジェフ・ダウンズ(キーボード)

■ ブルース・ウーリィ(ギター)

により、1977年にイギリスで結成されました。

 

1979年には "Video Killed The Radio Star"(邦題:ラジオ・スターの悲劇)でデビューするのですが、この曲がイギリスを始めとしてヨーロッパ圏の各国で軒並みチャートの1位を記録する大ヒットとなります。

(アメリカではそれほどの人気にはならず、全米40位に留まりましたが。)

翌年にはこの曲が収録されたアルバム "The Age Of Plastic" をリリースします。全英でのアルバム・チャートの最高位は27位でした。

 

ところがデビュー・アルバム発表後に、トレバー・ホーンジェフ・ダウンズはジョン・アンダーソン(ボーカル)とリック・ウェイクマン(キーボード)が脱退したプログレ・バンドの雄、イエスに引き抜かれてしまい、バグルスとしての活動は中断することになってしまいます。

イエスでアルバム "Drama"(邦題:ドラマ)をリリースするのですが、この二人の加入はイエスの古くからのファンには受け入れてもらうことができず、二人はイエスを脱退して再びバグルスに戻り、セカンド・アルバムの制作に取り掛かります。

ところが、そのアルバム発表前に、今度はジェフ・ダウンズがジョン・ウェットンの誘いによりエイジアの結成のために引き抜かれてしまいます。

 

実質的にはトレバー・ホーンのソロ・プロジェクト的なセカンド・アルバム "Adventures In Modern Recording"(邦題・モダン・レコーディングの冒険)の発表後、ホーンはプロデューサーとしての才能を発揮し、数々の素晴らしい仕事で成功をおさめます

中でも特筆すべきは、イエスのアルバム "Owner Of A Lonely Heart"(邦題:ロンリー・ハート)のプロデュースでしょう。それまでのプログレッシブなサウンドとは打って変わって、ホーンの得意なエレクトリック・ポップの要素を巧みに取り入れたロック・サウンドは、イエスとしては唯一の全米1位を獲得する作品となったのでした。

 

特にアルバム・タイトル曲、"Owner Of A Lonely Heart"(邦題:ロンリー・ハート)でのアレンジはホーンのアイデアが詰まった素晴らしいもので、当時の流行の最先端であった「オーケストラル・ヒット」が実に効果的に使われています。

※オーケストラル・ヒット=オーケストラが全楽器を一斉に鳴らしたようなサンプリング音で、「ガシャン!」というような非常に厚みのある短い音。

 

一方、エイジアの結成に参加したジェフ・ダウンズですが、皆さんもよくご存知のようにバンドが商業的に大成功した時の立役者であり、ジョン・ウェットン亡き後もバンドの中心人物として精力的に活動を続けています。

 

さて、このアルバム "The Age Of Plastic" ですが、今聴いても古臭さを全く感じさせない、むしろ新しささえ感じる素晴らしい仕上がりの作品です。

ジャンルとしては「エレクトリック・ポップ」ですが、決してエレクトリック主導という訳ではなく、エレクトリックな部分とヒューマンな部分が見事に調和したポップスと言ったほうが的を得ていると思います。

今回ご紹介する「ラジオ・スターの悲劇」もその例に漏れず、エフェクターのかかったエレクトリックなボーカルと、逆に非常に人間的な女性コーラス、そしてシンセサイザーを始めとする電子楽器のバランスが見事にマッチしていて、トレバー・ホーンの計算しつくされた緻密なアレンジがキラリと光る一曲になっています。

日本でもヒットしましたし、ドラマの挿入歌やCMでもよく使われていますので、バグルスは知らなくても、曲を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

女性コーラスの「♪アンワ アンワ♪」が印象的で耳に残りますね!

 

イエスの「ロンリー・ハート」、そしてエイジアの大躍進の原点がここにあるかと思うと、非常に興味深い一曲です。

ぜひ、じっくりと隅々まで、お聴きください!