70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

エレクトロ・ポップとの融合で新たなアースの魅力を再発見! Earth,Wind & Fire "System Of Survival" (1987)



収録アルバム "Touch The World"


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今回は、ファンク・ロック界のトップに君臨するアース、ウィンド&ファイヤの16枚目のアルバム  "Touch The World"(邦題:タッチ・ザ・ワールド) から "System Of Survival" をご紹介します。

  

先日の記事では、1977年リリースの9枚目のアルバム "All 'N' All" (邦題:太陽神)からの大ヒット曲、"Fantasy" をご紹介しました。

 

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このヒットからバンドは絶好調の波に乗り、次々とヒット曲を世に送り出していきます。

■ September(1978年、全米8位)

■ Boogie Wonderland(1978年、全米6位)

■ After The Love Has Gone(1979年、全米2位)

■ Let's Groove(1981年、全米3位)

 

ドラマやCMで使われたり、他のバンドがカバーしたりで、誰もが一度は耳にしたことのある曲ばかりだと思います。

 

ところが、この後1980年代に入ると、人気にやや陰りが見えてきます。

ここでバンドが打った起死回生の手は、電子ドラムやシンセサイザーといった電子楽器の導入、エレクトロ・ダンスとの融合でした。

1983年にリリースした15枚目のアルバム "Eleatric Universe" では、ホーン・セクションとも決別し、早くて強いビートのエレクトロ・ダンス・ポップを披露してイメージ・チェンジを強烈にアピールしました。

 

ですが、今ひとつ結果はパッとせず、アルバムは全米40位、シングル・カットした "Magnetic" も全米57位と全盛期の記録には遠く及ばず、バンド内でもサウンドの方向性の議論が噴出し、結果としてバンドの活動休止という事態に陥ってしまいました。

 

後から考えれば、個々のメンバーがソロ活動などを行い、バンドの演るべき音楽というのを見直すことができたこの冷却期間が、バンドに良い風をもたらしたのかも知れません。

 

4年後の1987年、再びメンバーが集結してバンド活動を再開し、16枚目のアルバム "Touch The World" をリリースします。

再びホーン・セクションを取り入れて、バンドのメンバーの体に染みついたゆったりと流れるようなスムーズなリズムに、エレクトロ・ダンス・ポップの重くて強いビートを融合させたこのアルバムは、セールスこそ全米33位という結果でしたが、"System Of Survival"(全米R&Bチャート1位)、"Thinking Of You"(全米R&Bチャート3位)というヒットを生み出し、再びバンドに光をもたらしたのでした。

 

今回ご紹介する "System Of Survival" はアルバムのトップを飾るナンバーです。ラジオのチューニング音、ナレーションから電子音声のような「System Of Survival...」を合図にリズム・セクションとシンセサイザーがダンサブルなビートを刻み始めます。全般を通してエレクトロ・ポップ調の電子楽器によるリズムが流れていますが、ボーカル・パート、それに絡んでくるコーラス、そして歯切れよくフィル・インしてくるホーン・セクションは、正にアースのサウンドです。随所で入ってくるシンセ・ベースの重い響きがアクセントになって、新生アースを強烈に印象づける、素晴らしい仕上がりになっています。

同じくシングル・カットされた "Thinking Of You" もなかなかいい味のナンバーです。"System Of Survival" と同様なダンサブルな曲ですが、ビートとしてはやや軽めで、よりボーカル・パートに重きが置かれているようなアレンジになっています。

アルバム・ラストの "Victim Of The Modern Heart" も外せない一曲です。電子楽器のエレクトロなビートとホーン・セクションの絡みという、新生アースの真骨頂とも言うべき魅力がこれでもかと言うくらいに詰まっています。

 

全体的には、ややテンポを落としてゆったり感を感じさせるようなビートが非常に心地よいですね。

「宇宙のファンタジー」「ブギー・ワンダーランド」などとはまた違ったアースの魅力を再発見できると思います。

ぜひ一度、聴いてみて頂くことをオススメします。

 

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