70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

若き天才ギタリストを世に送り出した名作! Alcatrazz "Hiroshima Mon Amour" (1983)



収録アルバム "No Parole From Rock 'n' Roll"


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今回はアメリカのヘビー・メタル・バンド、アルカトラスの1983年のデビュー・アルバム "No Parole From Rock 'n' Roll" から "Hiroshima Mon Amour" をご紹介します。

 

レインボー、マイケル・シェンカー・グループに在籍していたボーカリスト、グラハム・ボネットが結成した、というよりは、天才ギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンを世に送り出した、というほうがわかりやすいと思われるバンドがアルカトラスです。

 

マイケル・シェンカー・グループを解雇されたグラハム・ボネットは、オーディションなどでメンバーを集め、1983年にアルカトラスを結成しました。

結成当時のメンバーは、

■ グラハム・ボネット(ボーカル)

■ イングヴェイ・マルムスティーン(ギター)

■ ゲイリー・シェア(ベース)

■ ジミー・ウォルドー(キーボード)

■ ヤン・ウヴェナ(ドラムス)

という構成でした。

当時まだイングヴェイは広く名を知られておらず、地元のメタル・バンド「スティーラー」に在籍しているところを、グラハムが引き抜いたということです。

そして同年にデビュー・アルバム "No Parole From Rock 'n' Roll" をリリースすると、たちまちイングヴェイのギター・プレイが評判となり、一躍若手トップ・ギタリストの仲間入りをすることになりました。

 

バンドのサウンドとしては、ギター主導型のオーソドックスなヘビー・メタルで、たとえて言うなら、マイケル・シェンカー・グループに非常によく似たスタイルといえるでしょう。中でも、やはりグラハム・ボネットのボーカルとイングヴェイ・マルムスティーンのギターが2枚看板ということになると思います。

グラハムの金属的で攻撃的なハイトーンのシャウトは、聴く側を圧倒する絶大なパワーを持っています。ロニー・ジェームス・ディオのような味のあるボーカルではないのですが、高音域でシャウトしても確かな音程をキープできる一流のボーカリストだと思います。

そして、イングヴェイのギターが素晴らしい!ソロではメロディアスな超高速の速弾きをこれでもかと言うくらいに炸裂させていますが、バッキングのパートでは、コードだったり裏メロだったりのサポートをしっかりとやって、バンドとしての調和を非常に大切に考えているように思えます。

まだデビュー・アルバムということもあり、レインボー風の曲もあったり、マイケル・シェンカー風の曲もあったり、と、バンドの方向性が今一つ定まらない感がありますが、グラハムの声質からは想像し難い美しいメロディ・ラインの曲が多く、少し意外な感じがします。

 

今回ご紹介する "Hiroshima Mon Amour" という曲ですが、第二次世界大戦での広島への原爆投下をモチーフに書かれており、凄惨な歌詞と、悲しみをエネルギーにしたかのようなシャウト、時には悲しくメロディアスに、時には激しく弾きまくるギターが非常に印象的な曲です。

特に、エンディングでのグラハムの「HIROSHI-----MA!」というシャウトが心に突き刺さりますね。

 

この後イングヴェイは、グラハムとの関係を悪化させて、バンドを脱退してしまいます。そのため、このアルバムは、アルカトラスというバンドでイングヴェイの演奏を聴くことのできる、貴重な一枚となってしまいました。 

若き天才ギタリストの才能を、ぜひ感じてみていただきたいと思います。

 

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