70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

音楽性のシフト・チェンジが生み出した全米NO.1ヒット曲! The Doobie Brothers "What A Fool Believes" (1978)



収録アルバム "Minute By Minute"


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今回は、前回に引き続きドゥービー・ブラザーズの曲をご紹介します。

1978年にリリースされた8枚目のアルバム "Minute By Minute" からの全米No.1ヒット曲、"What A Fool Believes" です。

 

前回に書きましたように、1974年リリースの4枚目のアルバム "What Were Once Vices Are Now Habits"(邦題:ドゥービー天国) から全米1位のヒット曲 "Black Water" が生まれ、バンドはアメリカン・ロックの頂点にたちました。

1975年には5枚目のアルバム "Stampede"(邦題:スタンピード)をリリースします。このアルバムも全米4位と、前作に続いて安定したセールスを記録し、バンドは好調を維持していました。

ところが、このアルバムのリリース直後に、バンドの創始者でもあるトム・ジョンストンが健康上の理由でバンドを脱退することになります。

その代役として、ジェフ・バクスターの紹介でバンドに加入したのが、スティーリー・ダンのツアー・メンバーだったマイケル・マクドナルドでした。

 

このメンバー・チェンジは、サウンド面での非常に大きな変革をバンドにもたらします。ギターをメインにした野性味溢れるシンプルかつストレートなアメリカン・ロックから、ジャズ、フュージョンのエッセンスを組み込んだアダルト・コンテンポラリーなAORロックへと指向が変化していきました。

そうして1976年にリリースした6枚目のアルバム、"Takin' It To The Streets"(邦題:ドゥービー・ストリート)でしたが、全米8位という前作同様のセールスを記録し、シングル・カットした "Takin' It To The Streets"(全米13位)、"It Keeps You Runnin'"(全米37位)も好調なセールスを記録し、音楽性のシフト・チェンジが一般的に受け入れられた結果となりました。

 

1977年には7枚めのアルバム、"Livin' On The Fault Line"(邦題:運命の掟)をリリース(全米10位)、そして続く1978年には8枚めのアルバム、"Minute By Minute"(邦題:ミニット・バイ・ミニット をリリースするのですが、これがバンド史上最大の成功作となります。

アルバムはバンドとしては初の全米1位を記録、シングル・カットした "What A Fool Believes" は全米1位の大ヒットとなり、グラミー賞最優秀楽曲を受賞、同じくシングル・カットのアルバム・タイトル曲 "Minute By Minute" は全米14位となり、グラミー賞最優秀ポップボーカル賞受賞という、華々しい記録尽くめの作品となりました。

 

ジェフ・バクスター、マイケル・マクドナルドという二人のスティーリー・ダン出身者を擁するバンドのサウンドは、アメリカン・ロックという枠に縛られることのない、非常にクロスオーバーな、都会的で洗練されたものになっています。

加えて、マイケル・マクドナルドの情感の籠ったソウルフルなボーカルが、新しいバンドの顔になっていると言ってもよいでしょう。

かと言って、古い曲をおろそかにしているかと言うとそうではなく、古い曲には新しい解釈を味付け程度に加えて、その曲の良さを殺すことなく正しく消化して生まれ変わらせるという方針を貫いており、古くからのファンが音楽性の激変を受け入れたのも、そのようなバンドのプロフェッショナルな姿勢に共感したからなのかも知れません。

 

コーラス・ワークの緻密さと美しさは、バンドの初期の頃からの持ち味ですが、この "What A Fool Believes"、そして "Echoes Of Love"(アルバム "Livin' On The Fault Line" より)のコーラス・パートは最高で鳥肌モノの完成度だと思います。

 

ぜひ一度、お聴きくださいませ。

 

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