70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

「イケメン+おっさん」の妙なバンドの初期の名作! Cheap Trick "Clock Strikes Ten" (1977)



収録アルバム "In Color"(邦題:蒼ざめたハイウェイ)


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今回は、アメリカのロック・バンド、チープトリックの2枚目のアルバム "In Color"(邦題:蒼ざめたハイウェイ)から "Clock Strikes Ten"(邦題:今夜は帰さない)をご紹介します。

 

チープトリックは、1977年にアルバム "Cheap Trick" でデビューします。


デビュー当時のメンバーは、
 ■ ロビン・ザンダー(ボーカル)
 ■ トム・ピーターソン(ベース)
 ■ リック・ニールセン(ギター)
 ■ バン・E・カルロス(ドラムス)
という4人編成で、うちロビンとトムが「若いイケメン」、リックとバン・Eが「変なオッサン」という、到底同じバンドのメンバーとしてはあり得ないような4人組ということで、かなりマスコミにも取り上げられたりしていました。


しかし、本国アメリカではそれほど話題になることもなく、デビュー・アルバムもまったくと言っていいほど売れなかったのですが、日本では、イケメン二人が日本女性のハートを捉えたのでしょうか、俄然注目のバンドとなりました。

 

同年、2枚目のアルバム "In Color"(邦題:蒼ざめたハイウェイ)をリリースします。レコード・ジャケットがこのバンドの特徴を良く表しており、表ジャケットにはバイクに跨ったイケメン二人のカラー写真、裏ジャケットにはチャリに跨ったオッサン二人のモノクロ写真という、かなりジョークのきいたジャケットでした。


このアルバムですが、アメリカでは全米73位というあまり目立たないセールスで終わってしまいましたが、日本ではオリコンチャートの30位まで上昇しました。

 

このアルバムからは "I Want You To Want Me"(邦題:甘い罠)がシングル・カットされます。アメリカ本国ではチャートインすらできなかったのですが、日本ではオリコンの洋楽チャートで1位になり、改めて日本とアメリカとでの温度差を感じさせる結果となってしまいます。

 

1978年には3枚目のアルバム "Heaven Tonight"(邦題:天国の罠)がリリースされます。全米チャートでは48位、日本のオリコンチャートでは11位と、徐々に売上も上昇してきました。

 

この年に、日本での人気の高さを受けて初の来日公演を行い、このライブの様子がアルバム「チープ・トリックat武道館」として、日本でのみ限定リリースされました。
ところが、本国アメリカでこのアルバムが日本からの輸入盤として売れ出したため、翌年にアメリカでも正式にリリースしたところ、これが全米4位を記録する大ヒットとなり、ここに来てようやくアメリカ本国での人気が日本に追いついた形となったのです。


ちなみに、このアルバムのヒットから「武道館」が日本NO.1のライブ会場だということが広く知れるようになり、その後の大物アーティスト達がこぞって「武道館」でライブをやるようになったというのも面白い話ですね。

 

チープ・トリックというバンドはそのメンバー構成からキワモノ扱いされがちなのですが、サウンド的には、至って真面目でシンプルでストレートな、アメリカン・ロックの王道と言ってもいいでしょう。ギターの音などは、初期のフォリナーの音と非常に近いものがありますね。
本人達は、後にビートルズのコピー曲だけでライブを行い、それをアルバムとして発売してしまうくらい、ビートルズ・フリークです。バンドの楽器構成が同じなのも、シンプルなロックを奏でるのも、ビートルズの影響なのでしょう。

 

今回ご紹介する "Clock Strikes Ten" は、「キンコンカンコーン」というチャイムの音(時計の音?)を模したギターのハーモニックスから始まるノリのいいロックンロールです。
ロビン・ザンダーのボーカルが意外と図太い声で、「夜通し遊ぼうぜ!」的な若者の心情を情熱的に歌い上げており、バックのギターやドラムも低音重視のアレンジで迫力あるサウンドに仕上がっています。
間奏でもリズムに乗って「キンコンカンコーン」とやっており、なかなか面白いアイデアの詰まった隠れた名曲だと思います。


その後の華々しい活躍の基礎となった初期の名作に、時には耳を傾けてみるのも良いのではないでしょうか。

 

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