70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

ニューヨークの無邪気な歌姫のデビュー曲! Cyndi Lauper "Girls Just Want to Have Fun" (1983)

収録アルバム "She's So Unusual"


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今回は、アメリカの無邪気な歌姫、シンディ・ローパーの1983年のデビュー・アルバム
"She's So Unusual" からのファースト・シングルで全米2位の大ヒット曲 "Girls Just Want to Have Fun" をご紹介したいと思います。

 

1953年にニューヨークで生まれたシンディですが、17歳の時に高校を中退して家を出て、様々な職業を経験してきた苦労人でもあります。

その後、シンガーとしてバンド活動を行うようになり、正式なボーカル・トレーニングも受けて1980年に自らのバンド "Blue Angel" でデビューするのですが、商業的な成功を得ることはできず、バンドもすぐに解散してしまいました。


失意の中で活動を続けていたシンディですが、後に恋人兼マネージャとなるデビッド・ウルフと知り合い、彼の尽力もあって1983年にソロとしてアルバム "She's So Unusual" でデビューを果たすことになります。

 

このアルバムからは、1984年にリリースしたファースト・シングルの "Girls Just Want to Have Fun" (発売当時の邦題:ハイ・スクールはダンステリア)が全米チャートを
駆け上り、最終的には2位となる大ヒットを記録しました。

続いてセカンド・シングルとしてリリースした "Time After Time" は全米1位となり、サード・シングルの "She Bop" は全米3位、続く4枚目のシングル "All Through The Night" は全米5位と、デビュー・アルバムから4曲連続でトップ5に送り込むという女性アーティストとしては初の偉業を達成します。

そして、MTVミュージック・ビデオ・アワードの最優秀女性歌手賞、ローリング・ストーン誌の最優秀新人賞など、この年の数々の賞を総なめにしてしまいました。

これらのシングルに支えられて、アルバム自体も全米4位というヒットとなりました。
日本でも非常に人気が高く、オリコンのアルバムチャートでは5位を記録しています。


シンディの魅力は、正統なボーカル・レッスンに裏付けられた、しっかりとした歌唱力にあります。
元々はハイト−ンの可愛らしい声質ですが、ポップな曲からしっとりとしたバラードまであらゆるタイプの曲調を歌いこなす様は「七色の声を持つ歌手」とも称されています。
奇抜な髪形・髪色や、独特なファッション・センスからは想像もつかない高い歌唱力というギャップにヤラレてしまったファンも多いのではないでしょうか。

 

今回ご紹介するシンディのデビュー・アルバム "She's So Unusual" は、そんなシンディの魅力が十分に詰まったアルバムと言えるでしょう。

テクノ調のポップな曲あり、スローなロックあり、バラードあり、と、バラエティに富んだ様々な曲を、時には激しくエモーショナルに、時にはしっとりと優しく歌い上げています。

「七色の声」というのは単なる比喩ではなく、例えば "Girls Just Want to Have Fun" と "Time After Time" の声質はまったく違っていて、これらの曲を知らない人が聞いたら同じ人が歌っているのが信じられないのではないかと思えるほど、曲調によって歌い方だけでなく声質までもコントロールしてしまうのが、シンディのボーカリストとしての凄さですね。

 

そのデビュー・アルバムの中でも、今回取り上げた "Girls Just Want to Have Fun" は、おそらく高校生くらいの女の子の揺れる気持ちをアップテンポのポップな曲調に乗せてちょっと舌足らずに歌い上げた、シンディの魅力あふれる一曲です。

スローな曲ももちろん心に響いてくるのですが、やはりシンディにはこのようなポップな曲がイメージ的に合いますね。


シンディは大の親日家としてもよく知られています。
高校を中退して定職につかずにフラフラしていた頃、あるジャパニーズレストランの女性経営者と出会い、「それじゃ駄目だからうちの店で働きなさい」といって職を与えて
もらったこと、その経営者は同じような若者たちを何人も面倒をみている篤志家で、シンディを「いつか売れる日が来るから頑張りなさい」とずっと励ましてくれていたこと、などがきっかけだと、日本のテレビ番組に出演したときに語っていました。


2011年3月11日の東日本大震災の時、多くのアーティストが来日をやめたり公演をキャンセルしたりする中で、シンディはレコード会社が止めるのも聞かずに来日し(成田空港が閉鎖されていたため、シンディの乗った飛行機は米軍横田基地に着陸した)、3月16日から予定通りにコンサートを行いました。さらに会場では募金を呼びかけ、自分のコンサートをチャリティのためのイベントにしてしまったことは、よく知られています。

 

近年では、ミュージカル「キンキーブーツ」の楽曲をすべて書き下ろすなど、まだまだ
精力的に活動を続けています。
日本のTVドラマの挿入歌などでもシンディの昔の楽曲が良く使われたりしていますので、今後ももっと多くの方にシンディの歌声が届くといいですね

 

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