70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

渋い大人のロックが心に染み渡る夜 ~ Michael McDonald "I Keep Forgettin'" (1982)



収録アルバム "If That's What It Takes"

amazonでこのアルバムをチェックする

 

今回は、元ドゥービー・ブラザーズのメンバーでアメリカのシンガー・ソング・ライター、マイケル・マクドナルドの初めてのソロ・アルバムからの大ヒット・ナンバー "I Keep Forgettin'" をご紹介します。

 

18歳の頃からスタジオ・ミュージシャンとしての活動を開始したマイケルですが、1974年にスティーリー・ダンのツアー・メンバーとして抜擢されたあたりから、徐々に頭角を現し始めます。

1975年には、ジェフ・バクスターの誘いにより、病気のためバンドを離れたトム・ジョンストンの代役として、ドゥービー・ブラザーズに加入します。しかしその活躍は「代役」の枠に留まらず、マイケルの加入により、ドゥービー・ブラザーズは泥臭く野性味溢れるアメリカン・ギター・ロック・バンドから、ソウルフルで都会的なアダルト指向のバンドへと急変貌を遂げることになります。

 

この音楽性の変化は賛否両論ありましたが、1978年にリリースされたアルバム "Minute By Minute" は全米1位の大ヒットとなり、シングル・カットされた "What A Fool Believes" も同じく全米1位を記録するなど、商業的には大成功を収める結果となり、また、マイケル個人も非常に高い評価を得ることになりました。

 

1982年にドゥービー・ブラザーズは解散してしまうのですが、それと同時にマイケルもソロ活動をスタートさせ、同年にソロとしてのデビュー・アルバム "If That's What It Takes"(邦題:思慕(ワン・ウェイ・ハート))をリリースし、シングル・カットされた今回ご紹介する "I Keep Forgettin'"は全米4位のヒットを記録しました。

 

アルバム "If That's What It Takes" ですが、マイケルのソング・ライター、そしてボーカリストとしての魅力がてんこ盛りの、とても完成度の高いアルバムに仕上がっています。

まず、曲が素晴らしい。全体的にテンション抑えめではありますが、それが逆に都会らしさ、大人らしさを引き立たせているかのような、渋いロックあり、泣けるバラードありで、最後の最後まで聞く耳を引きつけます。

そして、参加しているミュージシャンの豪華なこと!

 ・ドラム: ジェフ・ポーカロ、スティーブ・ガッド

 ・ベース: マイク・ポーカロ、ルイス・ジョンソンほか

 ・ギター: スティーブ・ルカサー、ディーン・パークス

 ・ピアノ: グレッグ・フィリンゲインズほか

 ・パーカッション: レニー・カストロほか

ウェストコーストの一流処が大集合しちゃっています。

マイケルのボーカルもバックに負けていません。大人の哀愁漂うソウルフルなハスキー・ボイスがとても印象的で、独特の世界観を形成しています。

 

アルバムの2曲めになる "I Keep Forgettin'" ですが、静かめのミドル・テンポで泣ける曲ですね。バックの演奏もぐっと控えめですが、フェンダー・ローズ・ピアノとクラビネットの音が耳に優しく、とても心に残る素晴らしいアレンジです。

そんな中で曲のエンディングで聞ける、バスドラムのダブルアクションのタメとキレ!

さすがジェフ・ポーカロ!

小技がキラリと光っています。

 

渋い大人のロックが聴きたい時には、ぜひこのアルバムを手にしていただけたら、と思います。