70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

多彩な音楽性に裏打ちされた大人のロック ~ PAGES "Midnight Angel" (1981)



収録アルバム "PAGES"

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今回は、アメリカのロック・バンド "PAGES" の3枚目のアルバム "PAGES" に収録されている "Midnight Angel" をご紹介します。

 

ペイジズは、リチャード・ペイジとスティーブ・ジョージの二人が中心となり結成されたバンドで、1978年にアルバム "PAGES" でデビューしました。

AORという大きな括りで語られてしまうことが多いバンドなのですが、実際には、一般的なAORよりもジャズ/フュージョン/ファンク/プログレッシブへのアプローチがより強い、多彩な音楽性を持つバンドです。

その器用貧乏的な部分が災いしたのか、デビュー・アルバム "PAGES"、2ndアルバム "Future Street" はそれほど大きな話題になることもなく、日本ではアルバムの発売さえされませんでした。

レコード会社を移籍して心機一転、今回の3rdアルバムのリリースになるわけですが、今までとの大きな違いとして、まずプロデューサーにジェイ・グレイドンを起用したことが挙げられます。ペイジズの持つ多彩な音楽性を損ねることなく、一曲一曲に個性を与えながらも、根底には確固たるロックの魂を据え付けて、一本大きな筋を通したようなアルバムを完成させたのは、間違いなくグレイドンの手腕の賜物でしょう。

バックのミュージシャンにも、ジェフ・ポーカロ、トム・スコット、マイク・ベアード、エイブラハム・ラボリエルといった一流どころを起用して、まあ、商業的に大成功したとは言えませんが、モダンで新しさを感じる素晴らしいアルバムに仕上げました。

 

アルバムを通しての聴き所ですが、まずは何と言ってもリチャード・ペイジのボーカルでしょう。ボビー・キンボール脱退後のTOTOからボーカルの打診を受けたり、ピーター・セテラ脱退後のシカゴからボーカルの打診を受けたりしたらしいのですが、自らのバンドで成功したいがために、いずれの誘いも蹴ったということです。それが嘘でないことは、アルバムを聴けばお分かりでしょう。中~高音域の伸びが素晴らしい、ちょっと甘めのボーカルは、激しいロックにも優しいバラードにも違和感なくハマっています。特にアルバム2曲目の "Tell Me" は、やや静か目のロックですが、リード・ボーカル、コーラス・ワークともに美しい、思わず聴き入ってしまう曲になっています。

あとは、聴き所としては、グレイドンを含めたバックの演奏ですね。特に、何曲かで聴くことのできる「グレイドン節」たっぷりのギター・ソロ、そして早いテンポの曲でのタイトなリズム・セクションは、さすがにトップ・クラスのミュージシャンが集まっただけのことはあります。

 

今回ご紹介する "Midnight Angel" は、アルバムのラストで聴ける感涙もののバラードです。アレンジもピアノをメインに最小限に抑えられており、その演奏をバックに歌い上げるリチャード・ペイジのボーカルの甘さ、儚さ、優しさを包括した歌声・・・。

都会の高層マンションの一室で一人で夜景を見ながらこの曲を聴いたら、絶対に号泣しちゃいます。素晴らしい一曲です。

 

素晴らしいアルバムを残して、ペイジズはこの後解散してしまいますが、数年後にリチャード・ペイジとスティーブ・ジョージの二人は「MR.ミスター」を結成し、全米1位の大ヒット曲を産み出すほどの活躍を見せることになります。

詳細はまた後日・・・。

 

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