70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

ピアノの主旋律は夜の静寂を飛ぶ鳥の羽ばたきのように ~ SHAKATAK "Night Birds" (1982)



収録アルバム "Night Birds"

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イギリスのフュージョン・バンド "SHAKATAK" の2枚目のアルバム "Night Birds" から、アルバム・タイトル曲の"Night Birds" をご紹介します。

 

ご紹介しますと言っても、このメロディ、このピアノを聴いたことがない人はいないんじゃないか、というくらい、日本でも大ヒットしましたね。CMとか、TVドラマの主題歌/挿入歌としても何度も使われています。

 

シャカタクは、1980年にシングル "Steppin'" でデビューし、翌1981年に1stアルバム "Drivin' Hard" をリリースしました。このアルバムは日本ではリリースされず、一部のコアなファンの間でのみ知られている状態だったのですが、1982年、ピアノ(ビル・シャープ)と女性コーラス(ジル・セイワード、ジャッキー・ロウ)を前面にフィーチャーしたシングル "Night Birds" で世界的に大ブレイク、同年リリースの2ndアルバム "Night Birds"、3rdアルバムの "Invitations" が大ヒットし、日本でもその名と作品が広く浸透していくこととなりました。

 

その後、1984年リリースの5thアルバム "Down On The Street" あたりから、ジル・セイワードのボーカルをより前面に出したダンス・ポップ路線へと方向転換していくのですが、日本では、「シャカタクと言えば、ピアノ+女性コーラスのフュージョンイージー・リスニング/BGM」と言ったイメージが強く定着していたため、1980~1990年代には、日本向けの限定発売盤をリリースしていたこともありました。

現在では、比較的ポップス色の強いソフト・ジャズ路線が広く認知され、安定した活動を継続しています。

 

このアルバムの魅力は、なんと言っても、ビル・シャープの華麗で繊細なピアノ・プレイにあります。
無駄な音を重ねないシンプルなバックの演奏に、無駄なタッチのない、非常にわかり易いシンプルなメロディ・ラインを乗せて、何度聞いても飽きのこない、また誰が聞いても不快感を覚えないという、多くの人が好印象を持つアルバムに仕上がっており、大ブレイクにつながった理由としては、至極当然だと思います。

 

アルバム・トップのタイトル曲 "Night Birds" は、まさにそのイメージ通りの1曲です。
流れるようなリズム、音数は多くはないのだけれども強く印象に残るピアノの主旋律、曲のイメージを壊さずに優しく抑え目な女性コーラス・・・どれも素晴らしいのですが、聴きどころは、間奏のギター・ソロの後に続くピアノ・ソロですね。夜の静寂(しじま)を流れるように飛ぶ鳥が、不意に旋回して急降下してくるような、ちょっとしたアクセントになっていて、曲をキュッと引き締めています。

そしてまたピアノの主旋律がリピートし、夜の鳥は何事もなかったかのように、闇夜にフェードアウトしていくのです。

 

最近のアルバムではデジタルな楽器も駆使して、シャカタク・ワールドをより一層ファンクな方向へ広げているようですが、そちらの方がお好みの方も、もう一度アコースティックなピアノのプレイに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

 

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