70ー80年代ロック名曲セレクション

ハード、ポップ、プログレ、ファンク、・・・等々、1970ー1980年代の洋楽ロックの名曲を独断と偏見でご紹介。この曲達を聞かずして、ロックを語ること無かれ。

プログレ界最強テクのご長寿トリオ! ~ RUSH "Limelight" (1981)

収録アルバム "Moving Pictures"

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今回は、カナダ出身のプログレッシブ・ハード・ロックの最強トリオ、"RUSH"の8枚目のスタジオ・アルバム"Moving Pictures" から "Limelight" をご紹介します。

 

ラッシュは1974年にデビューしたのですが、直後にドラムスがチェンジして以降、途中数年の活動休止時期があったものの、現在までメンバーの変更はなしという驚異的なバンドです。

デビュー当初は、当時全盛期だったレッド・ツェッペリンの影響を強く受けて、ストレートで骨太な典型的ロックバンドだったのですが、メンバー・チェンジで加入したドラムスのニール・パートの影響で、バンドはプログレッシブ・ロックの方向で発展を遂げていくことになります。

 

ラッシュの特徴は、3人という最小限度のメンバー構成ながら、緻密で重厚なサウンドを創り上げ、なおかつそれをライブで完璧に再現するという、演奏スキルのとんでもない高さにあります。

ドラムスのニール・パートは、変拍子をものともしない正確さと、音に隙間のない手数の多さ、多彩さを兼ね備えており、ひとつひとつのショットのキレがハンパない、天才的なプレイヤーです。

彼のドラム・セットは時に「要塞」と呼ばれるほど、多種多様な打楽器で埋め尽くされているそうです。

ギターのアレックス・ライフソンは、ディストーション、コーラス、ディレイなどのエフェクター類を駆使して、広がりのあるスペイシーな音空間を演出するプレイヤーです。

もちろん、テクニックも抜群で、時にギター・ソロでは早弾きも披露しています。

ベース/キーボード&ボーカルのゲディ・リーですが、複雑なフレーズを弾きながらリード・ボーカルを難なくこなし、ライブではベースを弾いていたかと思ったら、足でペダル・ベース、手でキーボード、そしてリード・ボーカル、という超人的な演奏能力を発揮しています。

ボーカルも決して演奏のおまけではなく、独特なハイ・トーン・ボイスで、曲に緊張感を与える役割も担っています。

 

今日ご紹介のアルバム "Moving Pictures" ですが、プログレッシブ・ロックを基調にした、やや強めのハード・ロックで、変拍子変拍子と思わせない抜群の演奏テクと重厚かつ緊迫感のあるサウンドでグイグイ来ます。

それまでのアルバムの中では最もヒットし、全米3位を記録しています。

 

そして "Limelight" ですが、ギターの力強いリフが繰り返されるイントロで始まります。

基本、4拍子のリフですが、途中さりげなく3拍子が混ざってくるな、と思っていると、ボーカル・パートは3拍子に切り替わっています。

そしてまた4拍子のリフを挟んで3拍子のボーカルと、拍数がコロコロ変わるにもかかわらずノレてしまう、彼らの演奏テクニックが光る秀逸な曲です。

 

極めつけは、間奏のギター・ソロの後半からボーカル・パート(サビのリピート)にかけて、曲自体は3拍子なのですが、ドラムは4拍子で叩いて来る、という巧妙なリズム崩しを仕掛けてきます。

 

もう少し詳しく説明しますと、1拍めやや強めの前乗り3拍子の場合、ドラムのスネアは通常3拍めで打ちます。ドンドンタン、ドンドンタンという感じです。

しかし、曲中の上の箇所では、ギター、ベース、ボーカルが明らかに前乗り3拍子のドンドンタン、ドンドンタンのリズムで来ているにも関わらず、ドラムがドンタン、ドンタンという2拍めと4拍めにスネアを打ってくるので、

 

  (他楽器)ドンドンタンドンドンタンドンドンタンドンドンタン
  (ドラム)ドンタンドンタンドンタンドンタンドンタンドンタン

 

という、アクセントがズレた状態になります。

それでもなお、曲が崩れてしまうことなく、各パートがノリをキープして、やがて4拍子にまとまって盛り上がってエンディングを迎えるという、計算し尽くされたリズム構成、曲構成が実に見事です。

テクニックに裏打ちされた遊び心とでも言うのでしょうか。

 

リズムを言葉で伝えるのは、かなり無理がありますが、伝わりましたでしょうか。


実際に聴いてみて頂くのが、一番確実ですねっ!

 

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