収録アルバム "KNEE DEEP IN THE HOOPLA"
"STARSHIP"の全米NO.1ヒット・チューン、"We Built This City"です。
STARSHIPというバンドは、本を正すと1965年にデビューした「ジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane)」というバンドが大元になっており、それがメンバー・チェンジやなんだかんだの結果「ジェファーソン・スターシップ(Jefferson Starship)」というバンドになり、その後またメンバー・チェンジやなんだかんだの結果、STARSHIPにたどり着いた、という歴史の古いバンドです。
ジェファーソン・エアプレイの頃は、サイケデリック・ロックの代表格として捉えられており、ジェファーソン・スターシップでは一転して骨太のアメリカン・ハード・ロック・バンドとして活躍し、何曲かのスマッシュ・ヒットも飛ばしました。
STARSHIPとしてはこのアルバムがデビュー作なのですが、音楽性は更に変化して、当時の最先端のエレクトリック・ポップを全面的に取り入れて、商業的には大成功を収めています。長い歴史の中で培われてきたバンドとしての実力が、路線変更で一気に花開いた、というところでしょうか。
この"We Built This City"(邦題:シスコはロックシティ)は、アルバム"Knee Deep In The Hoopla"のトップを飾る曲で、「俺達はロックンロールでこの街を作り上げたんだ!」と声高らかに歌い上げる、爽快でゴキゲンなポップ・ロックです。
このアルバムからは、さらに珠玉のバラード"Sara"も全米NO.1に輝きました。それ以外の曲についても、1曲1曲の完成度が高く、まさに傑作と呼べるアルバムとなっています。
バンドの特徴として、胸のすくようなハイトーン・ボイスの男性ボーカル(ミッキー・トーマス)と、男性に負けないハリと迫力ある女性ボーカル(グレイス・スリック)のツイン・ボーカルであることがあげられるでしょう。どの曲も、ボーカル・パートが聴きごたえがあり、本当に素晴らしいです。
ちなみに、ユーミン(松任谷由実)が好きな女性ボーカリストとしてグレイス・スリックの名前をあげていますね。アルバム「昨晩お会いしましょう」には、「グレイス・スリックの肖像」という歌が収録されています。